それは親からの一言ではじまった。
「ゴルフやってみなさいよ」
幼少期から私立の付属小学校へ入学し、気づいたら自分で考えて進路も決めることもなく、エスカレーター式にただ学年が変わるだけ。友人関係もさほど変化もなく、日常をただぼんやりと過ごしていたように思う。
「ゆきお、ゴルフやってみなさいよ。そろそろ一緒にゴルフをしよう。」
ゴルフ好きの両親が一人っ子の私を旅行の時にゴルフに連れていくために、小学5年生のとき、親がわたし用にクラブのセットを購入し、突然に言われた。
クラブを握り、スイング。
緑一色の芝生。青空の中に吸い込まれて行く白いボール。
空ってこんなに広いんだ。
当たった喜びより、広大な自然、ちっぽけな自分、でもなにか、可能性を感じた瞬間だった。
その日から、わたしのゴルフ人生ははじまった。
毎日のように練習して、クラブや用品にも興味を持ち、両親以外ともゴルフに行くようになった。
大学ではゴルフ部の副主将となり、部員にゴルフの技術より、ゴルフの楽しさを伝えたい。という想いが強かった。
いま思うと、そんな甘い考えだったから主将になれなかったのかもしれない。
でも、その甘い考えに拍車をかけたのは、ゴルフ部門のあるメーカーに就職し、会社の先輩や、全国の販売店の行く先々で出会う「熱いゴルフマニア」との会話だった。
とにかく、そういう人たちは熱い。ゴルフ熱が半端ない。
そして、ゴルフを愛している。という気持ちが言葉の端々に滲みでていた。ゴルフと心中してもいいんだってくらい、気づいたらわたしもゴルフに恋していた。
多くの人がゴルフをはじめてみるものの、途中で挫折してしまい、結果、ある程度しか上手くならない。
そのとき思ったのは、レッスンでゴルフが上達する人もいれば、かえって上達を妨げになったり、つまり、プロの教え方によって上達の速度も変わってしまい、嫌いになってしまうこともある。
それはいいことじゃない。
ゴルフは楽しい。一生涯楽しめる趣味だ。
みんな同じように上達した方がいい。しかも最短ルートで。
そんな時、仕事であるプロジェクトに関わることになった。 これはゴルファーのスイングをデータ解析する独自のシステムで、[データは嘘をつかない ] をコンセプトに、どんなプロが教えても同じように上達させる画期的なシステム。
プロアマ問わず多くのゴルファーのスイングデータを取り、気づくと夜が明けていて、でも興奮冷めやらず、そのまま出社、仕事。なんてこともあった。でも最高に幸せな時期で、仕事をはじめて一番楽しい瞬間だった。
このシステムでゴルフ業界を盛り上げて行く先駆者になりたいと思ったが、ゴルフ場のオペレーションを経験することになり、新しい角度から、わたしなりにゴルフの視野を広げた。
若い人にもゴルフを楽しんでほしい。最短で上達して欲しい。
そのためにはスイングデータが必要で、飽きずに練習できるいい機械も必要。
天気に左右されることなく、快適な室内での練習。
データを解析でき、最短での上達だけでなく、ゴルフの楽しさも教えられるレッスンプロ。インドアゴルフのフランチャイズ経営を思い立った。
でも起業する勇気はなかった。物心ついた頃から「いい子」で過ごし、エスカレーター式の教育で自分の意思を示さなくても無難な人生が送れていた幼少期からの経験のためかもしれない。
でもコロナ禍となり、起業を後押ししてくれる人も現れ、そこからは早かった。
上質なプロにも出会え、2020年の夏、
無人のインドアゴルフ練習場、オールデイゴルフ桜新町店を開店した。
最新の機械と動画を時間内好きなだけ使えてスイングチェックができる。
無人といっても、LINEで交流を持ち、パーソナルプロレッスンやGCクワッドというスイング解析機でスイングデータ解析ができる。
そして2021年には、韓国で出会った無人インドアゴルフに最適な、飽きずに楽しめるシュミレーション機械の日本独占契約を結ぶ。
無人でも楽しく飽きずに最短で上達できるゴルフ練習場。
夏は涼しく、冬は寒くなく、雨の日も快適に練習。しかも朝6時から24時まで。それがオールデイゴルフです。
これからまだまだ進化発展させ、ゴルフのスムーズな上達と、ゴルフの楽しさを都心から発信していきたい。